ソニーのBluetoothウォークマンA820シリーズを試す

録音機能編

さてさて、ウォークマン本体でCDやMDなどのポータブルオーディオプレーヤーやコンポなどから音楽を直接録音できる「ダイレクトエンコーディング」機能搭載は2006年10月に発売されたスティックタイプのS700/600シリーズ(以後A700と呼びます)が元祖。クレードル(+オーディオケーブル)や専用録音用ケーブル「WMC-NWR1icon」に接続することで同機能が利用可能でした。A700は「WMC-NWR1」を接続した時のみ録音メニューが現れるのに対して、A820はケーブルが未接続でも録音メニューにアクセス可能な点が違いでしょうか。些細な違いこそありますが、A820の録音機能そのものはA700のそれとほとんど同じみたいです。

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何はともあれ、実際に録音してみようということで色々と試してみました。なお、録音前にビットレートの設定をしておきます。設定はHomeの「録音」メニューからでなく、Homeの「各種設定」メニューにある「録音設定」で行います。選択できるビットレートはATRACの256/128/64kbpsとPCM(1411kbps)の4種。最終的にCD化するならPCMを選択したいところです。録音の手順は実に簡単。シンクロ録音の場合は、

  1. コピー元となる機器とA820をNWR1で接続
  2. 録音メニューからシンクロ録音を選択
  3. 録音開始ボタンを押すと録音待機状態に
  4. コピー元の機器から再生開始
  5. コピー元の音声信号を検知し、自動的に録音がスタート

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マニュアル録音は言葉通り、手動でダビングするモードってことですね。シンクロ、マニュアル共に注意すべきは録音レベル。A820側にはピークメーターの類はありません。なので、自分の耳でコピー元の音量を調整する必要があります。シンクロ、マニュアル録音ともに、そのモードにするとA820のヘッドホン端子からNWR1で接続したコピー元がモニターできます。

音割れがしない程度まにコピー元の機器のボリューム調節をするという感じですが、先日購入したVestaxのレコードプレイヤーやカセットウォークマンでは再生音に様々なノイズが含まれるためか、無音を検知して曲を区切る機能が効かない場合がほとんどでした。取説には無音は4.8mV以下の入力レベルと記載されています。結局、レコードプレイヤーやカセットウォークマンでは、自分好みのレベルで録音しようとすると曲区切りの機能が働かず、いわゆるA面で1ファイル、B面で1ファイルで録音されてしまうことになりました。

なお、録音されたファイルは録音を開始した日時がファイル名になります。A820の内蔵時計が常に正確であれば、録音ファイルは常にユニークになるためファイル名が重複することは無いです。シンプルな考え方ですね。また、録音データはSonicStageで転送した音楽ファイルとは別に管理され、内蔵メモリーの「\MUSIC\NWWM_REC」フォルダ内に拡張子「.OMA」(OpenMG Audio)で格納されます。また、再生はHomeの「録音」メニューにある「録音した曲」から行います。

先述の通り、A820には波形解析やファイル分割機能はありませんので細かい編集は基本的にはPCアプリ「SonicStage」で行うことになります。SonicStageがインストールされているPCに、録音ファイルがあるA820を接続すると、転送されている音楽ファイルのリストの下に「取り込み」ボタンが表示されるようになります。このボタンを押すと、Atrac Audio Device、つまりA820で直接録音したデータをSonicStage、つまりはPCに取り込めるわけです。

SonicStageへはA820で録音した時点で自動的に設定されたフォルダ名がアルバム名に、ファイル名が曲名として取り込まれます。SonicStageで使われているCDDBで楽曲名を取得することも出来るのですが、上記のようにA面全曲が1ファイルで録音されているデータでは取得も不可能ということで分割編集を先に行います(細かい手順は割愛します)。

分割後に改めてCDDBにアクセス。録音データの波形がデータベースと一致すれば、ソースがレコードでもカセットでもCDアルバムの情報が取得できるということなんですが、自分の場合はほんの数曲マッチングしただけでほとんどがNGでした。やはりノイズを含んだ波形だとマッチングが難しいのでしょう。

結局、あきらめてアルバム情報はほとんど全て手打ちしました。そんなこんなで、SonicStage上で編集後は、A820に通常通り転送が可能になるほか、CDへの書き込みも可能になります。ちなみに、SonicStage Mastering Studioでの編集・CD化も可能です。同ソフトバンドルのバイオユーザーやPCMレコーダーユーザーなら、さらに高度な編集が可能です。

リアルタイムなので録音には実時間が必要ですが、曲単位なら短時間ですみますね。例えば、iTunesで購入した楽曲が入ったiPodと繋いで、AACのFairplayファイルをウォークマンで録音できちゃいます。音源はデジ>アナ>デジ変換されてますが、外で普通に聞いている分には違いはわかりません。また、ソースがデジタルだと波形が正しく認識できるらしく、SonicStage経由のCDDBからの正しい曲データの取得も確率が高かったです。

iconということで、意外に重宝するウォークマンのダイレクトエンコーディング機能。1,200円ちょっとのケーブル一本でここまでできるとは驚きでした。アナログ音源のデジタル化だけでなく、デジ>アナ>デジ変換でも重宝するのが驚きでした。録音機能、便利です!

(個人的に心配なのが昨今話題の私的録音録画補償金問題。ケーブルこそ必要ですがウォークマン単体で録音機能を実現できているだけに、iPodとは違った観点で語らないとまずそうな…。)

アクセサリー・クリアケース編

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一目瞭然、専用のクリアケース「CKH-NWA820」でございます。本体+クリップという組合せが個人的には一番お気に入りであることは確か。なんですがー、ビデオレコーディングクレードル導入で出先での動画視聴が増えると、必然定期にA829を手で持つ機会が増えるじゃないですか。先日、ふとした弾みで落としそうになりまして…。そんなこんなで、不慮の事故防止的な意味合いから買ってみようかなあと思ったんです。

ケース自体の作りはシンプル。左側面の溝にコインをいれひねると二つに分割できますので、本体を入れて元に戻せば出来上がり。ケース自体にそこそこ厚みがあるので、A820シリーズならではのスリムさは失われてしまいますが、ケースデザインにより、フォルム全体が丸みを帯びるようになり、ホールドしやすくなるように思いました。ちなみに、クリアケース装着時は各種クレードルが使えなくなるので若干注意が必要です。

下部、右側面、上部にある操作に関わるパーツのある部分は全て開口が設けられており、ケース無しの状態と同じようにアクセス可能です。背面はリセットホール部とスタンドチップ用の開口がありますが、専用クリップの装着に必要な背面上部の開口は設けられていませんでした。クリアケース+クリップという使い方はできないってことですね。

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ソニービルで初めてこのケースを見たあとに書いたインプレで、「右側面に集中するボタンへのアクセスのためか、開口部が多くアンバランスな印象」とお伝えしましたが、実際に購入して使ってみた上でも印象はあまり変わりません。ただ、使っているうちに慣れちゃいますね。見る角度によっても表情が変わるので、これはこれで良い味出しているのかも。ただ、開口が多いため、細かな塵や埃が入りやすいのも事実ですね。たまに掃除してあげれば良いだけのことなんですけど。

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本体付属のスタンドチップもそのまま流用可能。ミニスピーカー(SRS-NWT10M)との組み合わせも全く問題なし。Bluetoothのインジケーター部分はケースが覆い被さりますが、ブルーのLEDはしっかりと認識できます。暗い場所だと素の状態よりも派手に見えるかも…。

自分のA829は現段階で本体側にプライバシーフィルターを付け、クリアケースを装着するという過保護っぷりなんですが、それで液晶が見にくくなるというようなことはありませんでした。以前もお伝えしましたが、クリアケースにダイレクトにプライバシーフィルターを貼って使っている人もいらっしゃるようです。普段は素のまま、出かける時だけクリアケースを使うというスタイルなんでしょうね。ナイスアイデアだと思います。

ポータビリティ性能は若干減るものの、不慮の事故によるリスクを回避する手段としてはこの手のケースを使うのが最前なんでしょうね。また、ウォークマンを大事にキレイに使いたい人にとっては必須のアイテムと言えそう。最大のネックは2,780円というお高い値段設定。とはいえ、保険料と考えればむしろ安いのかな?

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