開設のいきさつ

Bluetooth Music Labo 開設のいきさつ

ウォークマン「WM-505」で始まったワイヤレスオーディオ人生

原体験と言うには歳は取り過ぎていますが、1988年に登場したウォークマン「WM-505」を社会人になってから3年目で購入してから自分のワイヤレスオーディオ人生が始まりました。それまで、満員電車(高崎線…。当時はもう半端無い混み具合でした)の中で何度も断線を経験した身にとって、今風に言えば神プレイヤーになりました。ちなみに、1988年は今からざっと25年前。「瞑想する猿」、チョロ松のCMが話題になったのもこの頃です。

WM505というエポックメイキングなプレイヤーの登場で、音源とヘッドホンが分離するワイヤレスミュージック体験に慣れ親しんでしまった自分ですが、当時のソニーがあまりにも先走っていたからか、世間的にはさほど話題にならず、以後、数機種のワイヤレス対応機は発売されたものの、爆発的なヒットにはいたらなかったと記憶しています。

PDAブームの中で芽吹いた近距離無線規格「Bluetooth」

そこからしばらく間は開きますが、ソニーのPalm OS互換PDA「CLIE」の登場で、自分の中で再びワイヤレスに関心が向き始めます。ここでのワイヤレスは主に通信関連で、近距離無線通信規格の「Bluetooth」がPDAや携帯電話などに採用されるようになります。

当時はBluetooth携帯電話は低音質のヘッドセットとペアで使ったり、PDAやPCのためのネット接続用(土管代わり)で、主にメールなどの文字情報のやりとりをしているに過ぎませんでした。道交法改正により通話用ヘッドセットに注目が集まりましたが、Bluetoothに対応した携帯電話が少なかったため、市場の盛り上がりはいまひとつでした。

その後、様々な技術発展により、やりとりできるデータ容量が増え、速度もアップ。高音質の音声データのやりとりを遅延なく行えるように規格も進化したことで、音質が向上したステレオ対応のオーディオ製品も登場してきました。

Bluetooth採用のスマートフォン・タブロイド普及で知名度も一挙に加速

真っ先にBluetoothを採用していたPDA市場はシュリンクしてしまいましたが、欧米で発売されたPalmやHandspring、BlackBerry社などのハンドヘルド型携帯電話が源流となり、その後に現れたアップルのiPhoneやグーグルのAndroid採用の携帯電話、今で言うスマートフォンですね、の登場で状況は一変します。

これらスマートフォンやタブロイドの爆発的なヒットにより、標準で採用されているBluetoothも加速度的に知名度を上げていきました。携帯電話そのものが通話だけでなく、音楽や映像等のポータブルマルチプレイヤー(コンテンツ再生ポータル)として使われるようになることから、高音質ヘッドホンが付属するスマートフォンなども登場するようになりました。

2012年度はスマートフォンの出荷台数が2,898万台となり、2013年度には3,000万台を越え、2014年度にはスマートフォン出荷台数比率が8割を超えると予測されています(MM総研調べ)。

スマートフォンの防水対応や独自コネクタ登場でワイヤレス製品にさらなる注目

一方で、防水防滴対応のAndroidスマートフォンも増大の一途をたどっており、防水キャップを取り外さないと従来の有線タイプのヘッドホンが使えないなど、あちらをたてるとこちらがみたいなことで、人によっては利便性が下がる場面も。

iOS端末もiPhone 5以降コネクタが変更され、Dockコネクタ対応のオーディオ製品(Bleutoothドングル採用の製品も多いです)が使えなくなるなど、ユーザーのみならず、周辺機器メーカーにとってもゆゆしき事態だったと思います。

Bluetooth採用のオーディオ製品なら、上にあげたような問題を難なく解決するだけでなく、特定のOSやデバイスに依存すること無く、ワイヤレスで快適なミュージックライフを提供してくれます。

そして、今やBluetooth(ワイヤレス)ヘッドホンも防水や防塵は当たり前で抗菌に対応するスポーツ向けや、apt-XやAACといった高音質なコーデックに対応する高級機が登場し、市場を賑わせるようになっています。

2013年も年頭から、毎日のようにBluetoothオーディオ製品の発表があり、参入メーカーもうなぎ登り。量販店の店頭でもBluetooth専用コーナーが設置されるなと、昔では考えられないほどの注目度の高さです。

たくさんありすぎて何がなにやら…

消費者からしてみれば、選択肢が増えるのはありがたいことですが、それだけ製品選びが難しくなるということで、長年Bluetooth対応オーディオ製品を愛でてきた自分が、Bluetoothオーディオ製品に関心を持つ皆様、そして、対応製品製造メーカーの皆様のために、趣味と実益を兼ねてBluetooth Musicに関する総合情報サイトを立ち上げることにしたとそういうわけでございます。

ちなみに、2005年から更新し続けてきた「ソニ☆モバ」で8000を越えるエントリーの1割以上がBluetooth関連です。ここからも、個人的なBluetoothへの関心度を推し量っていただけると思います。(2008年10月にこんなエントリーもあげてました>ソニ☆モバ改めブル☆モバの可能性

そういう意味では立ち上げるべくして立ち上げた。むしろ、今まで何故立ち上げなかったのかと自分を責めたいぐらいでございました。

ということで、Bluetooth Music Labo、始まります。

よろしくお願いします!

(冒頭でお伝えしたWM505原体験から25年。技術的には全く異なるものですが、ようやく時代が追いついたという意味では、やはり当時のソニーの先進性を無視することは出来ません。しみじみ…。)

参考:
Bluetoothって便利?
Bluetoothハンズフリーの波に乗り遅れるドコモとau
Bluetoothと無線LAN、携帯に搭載して欲しいのは?
誕生から10年を迎えたBluetooth技術
Bluetooth 対応機器自体の所有率には変化なし、Bluetooth ヘッドホンの所有率はアップ
アップル、iPhone 3G用最新OS「3.0」を公開 -ステレオBluetooth対応。振るとシャッフル再生

タイトルとURLをコピーしました