オーディオ機器として使えるかどうかについて

個人的に最も気になっていたのが「Forest Notes」を、音楽再生用のBluetoothスピーカーとして使えるパフォーマンスを持っているのかどうか。2ページ目の小西さんの説明の中にも回答はあるのですが、嶋宮さんが以下のように補足してくださいました。

(嶋宮氏)「言い方が難しいのですが、すごく質の悪いスピーカーを販売しているメーカーさんも存在します。要はオーディオというのはどこからオーディオになって、どこからがスピーカーなのかということだと思うんですけれども、我々はこういう商品もあれば、通常のHi-Fiまでやっているメーカーですし、ソフトグループもかかえているという実状もあります。

オーディオという観点で見ると、ある程度のレンジ再生能力であるとか、レンジ再生能力プラスアルファの部分、要は音が鳴るのと音楽として鳴らすというのはやはり別次元だという考え方がありまして、そうするとその観点で見たときにこの商品はどうなのかというところが論点になります。

そうですと、低域の部分は特性上カットされていますし、通常のスピーカーと異なる構造で鳴らすとなったときに、アーティストですとかソフトを、ソフト然として鳴らすための表現力までを兼ね備えているかというと、逆にそういうところを取り払うことで、空間全体を鳴らす方向に特化したスピーカーになります。

ですので、音楽を鳴らせますかというと、音楽も鳴らますが我々としてはあまりおすすめできませんよという言い方になってしまいます。

ただ、音質の特性上、たとえば、ふわんと鳴らしたいというものがあるじゃないですか。たとえばオルゴールとか、環境音みたいなものであったりだとか。そういったものもオーディオカテゴリーとしてはございますので、そういうものについては、実は我々が聞いても表現できているのかなというものもあります。

環境音としてお楽しみいただくお客様にとってはすごくぴったりするようなソフトも存在するのは確かです。」

Bluetooth採用のメリット

電源オンで森の音が鳴がれてくるような、ターンキーシステムのようにしなかった理由を訪ねてみたところ、柳沼氏はスマートフォンをリモコンとして使えることをあげていました。スピーカー側にボタンやスイッチがたくさんあるよりは、スマートフォンですべてコントロールできる方がスマートだし便利だと考えてBluetoothを採用したそうです。

Bluetoothに限った話ではないですが、ワイヤレスシステム採用については以下のような興味深いコメントもいただけました。

(嶋宮氏)「一長一短ですが、思い切って簡易化したことで制約から解放されているという側面もあります。設置の自由度により、広がる部分も大きく、部屋から部屋への移動もしやすいですし、複数台置いていただくことで立体音場を楽しむ使い方もできます。3つ4つちらしておくだけで森の中にいる表現を創ることもできますし、リアルな森の音源だけではなく、アーカイブの自然音源、たとえば水のせせらぎなどを組み合わせるすることでお客様が、リアルな音を中心に自由に空間をクリエイティブ・発想できる商品になっていると思います。」

(小西氏)「違う音が鳴っていても全然じゃましないんです。音楽と一緒でもじゃましません。その辺がほかのモノと全く違います。歯医者さんなどで使っていただいてますが、患者さんから「どこに鳥がいるの?」、「どこから聞こえるの?」と聞かれるそうです。ワイヤレスなので、受付などのデザインを崩さずに置きたい場所に自然に置けるのが喜ばれています。」

今後の企業コラボ等の展開について

気になる今後については以下のような回答がありました。

(小西氏)「すでに一部の企業が環境教育の一環で横浜市に間伐材を使ったオリジナルスピーカーを製品化していて納めています。今後は他の土地の間伐材を使ったものに広げていくという動きもあります。」

(嶋宮氏)「感性の森のようなイベントもそのひとつですが、やりはじめていただいた企業さんはありますが、現状はモノとそこから派生するものをご紹介しているような段階。賛同いただける企業が現れ、増えてくれば、我々としては当然検討しながら進めていくというカタチになりますが、何分にもForest Notesのユニット自体をビジネスとして進めているものですから、当面はそういう動きになろうかと思います。」

(小西氏)「まずは3カ所あるライブマイクを増やしていき、ストリーミングサービスのコンテンツの充実をはかっていきたいです。コンテンツを多くの人に楽しんでいただくことで、ハード(のバリエーション)も広がるのではないかと思っています。」

(嶋宮氏)「我々としてはハードとソフトのセットで使っていただきたいですし、その方がよりよい音で楽しんでいただけますので、それがベストなのですがサービス単体でも事業展開しておりますので、今後はサービスを主眼として考えられた方が、リアルな森の音みたいなモノを楽しみたいという方のことも考えていかなくてはいけないとは思っています。」

最後に

今回のインタビューを通じて、「Forest Notes」は始めにコンセプトありきで、様々な要素を積み上げ、最適解を検討した結果、Bluetooth採用に繋がったのだということがよくわかりました。

感性の森展で展示されたアイデアモデルを含め、Bluetoothのような近距離無線技術が、家電製品を様々な制約から解放し、新たな可能性を生み出しているのだなあと実感。

今後はさらなる技術の進歩により、音のオブジェとオーディオスピーカーの境目も無くなっていくことでしょう。オーディオとBluetooth LEを拡張したようなBluetoothモジュールの組み込みによって、従来からは想像もできないようなモノのインターネット化(IoT)も起こってきます。

従来のオーディオとは異なるベクトルから始まった「Forest Notes」が、IoTの時代にどのような形で発展していくのか。色々な意味で今後が楽しみです。

最後になりますが、今回、快くインタビューに応じてくださったJVCケンウッド関係者の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

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【関連リンク】
Forest Notes | JVCケンウッド
Forest Notes Wireless Active Speaker YG-FA30HV / YG-FA2HV
デザイン学科の学生が「感性の森 2014展」において「JVCケンウッド・デザイン賞」および「Forest Notes大賞」を受賞しました(サレジオ高専)

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