音質評価
音に関する「BRAVEN 850/BRAVEN 855s」の売りは以下の5点。
・高精細度な音源再生を実現した独自開発のフルレンジスピーカーと本体背面部に設けた低音を生みだすパッシブ・サブウーファーをそれぞれ2基搭載
・低圧縮・低遅延でワイヤレス伝送が可能な高音質コーデックapt-Xに対応
・圧縮された音源を最適化し限りなく原音に近づける音質補正技術「SRS WOW HD」採用
・2機1組のステレオシステムを構築し、左右独立した各チャンネルの音源を再生(トゥルーワイヤレス・ステレオ機能)
同社の「BRV-1」のようなポータブルタイプより可搬性は劣るものの、筐体サイズにあわせてスピーカードライバーも63.5mmと大きなものを採用しており、幅の広さをいかした左右スピーカーの配置はステレオ感の醸成に一役買っていると言えそうです。また、総合20Wというサイズに見合わぬアンプのパワーも見逃せません。
まずは単体で「SRS WOW HD Sound」オフの素の状態でチェック。音源は山下達郎氏の最新ベスト「OPUS」やradikoなどのネットラジオで検証しました。
高域は非常にクリア。解像度高いです。ギターカッティングやベル系のパーカッションの音がしっかり聞き取れます。低域の再現能力もかなりのもの。中域に特徴のある伊藤広規氏のベースラインもちゃんと聞き取れます。特に、自分の真っ正面、50-60cm程度のニアフィールドでは、ほどよいステレオ感も得られ、気持ち良いです。
iPhone 5sで検証しているので、コーデックはSBCになりますが、音源が192kbpsのMP3ぐらいでも、かなりの高音質で楽しめます。ただ、radikoなどのネットラジオは48kbpsと低ビットレートなためか、ちょっと厳しいかなという印象。ネットラジオの音質の低さを確実に認識できるという意味で「BRAVEN 850/BRAVEN 855s」の実力が推し量れます。
次は「SRS WOW HD Sound」をオンにして検証。ちなみに、SRSを有効にする場合は上面の-ボタンと+ボタンの同時押しです。
SRSオンでは、サラウンド感(拡がり)は出ますが、全体的にドンシャリ傾向になります。低圧縮音源の場合、ドラムスのハイハットワークなどがベタッとしてしまい、微妙に聞き取りにくくなるいう印象。
この手のサラウンド技術の評価は難しいです。音源によっては効果的に働くこともあるので、一概に良い悪いの判断もできません。好みも出てきますしね。また、離れた場所に設置する場合や設置場所の空間の大きさなどによっても左右されると思われます。
ニアフィールドではSRSオフ、離れた場所や広い部屋ではSRSオンのように、臨機応変に切り替えて楽しむのが良いかもしれません。
また、音声遅延についてですが、動画再生アプリで検証してみたところ、ほんの少しだけ遅延がありますが、ほとんど気にならないレベル。ドラマの視聴も十分可能でした。
有線接続について
BRAVEN 850 855sともに右側面にステレオミニ外部入力端子が用意されており、CDプレイヤーなどの外部機器を接続して、音声を出力できます。
本体の電源が入った状態で外部機器を接続。外部機器側からの音声入力を認識するとスピーカーから音声が出力されます。
なお、外部入力端子は他の機器とBluetooth接続時でも使えますが、基本的には排他仕様となっているようです。
ちなみに、外部入力機器の音声を再生中に、Bluetooth接続済みのスマートフォン(iPhone 5s)から音楽を再生すると瞬時に外部入力の音源からスマートフォンの音源に切り替わります。
その逆はできないようで、再度外部機器に切り替えたい場合は、スマートフォン側の再生を一時停止してから、外部機器側の音源を再生する必要がありました。
次のページで解説しているTrue Wireless接続時は、外部機器の音声のステレオ再生は残念ながらできません。
(次のページに続きます)
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