リテールコム製バッテリー内蔵Bluetoothスピーカー「BIT-STB2825」を試す

※本レビューはソニ☆モバからの転載です。

リテールコムのマイク・バッテリー内蔵Bluetoothスピーカー「BIT-STB2825」(以後STB2825)を入手しましたので何回かに分けてレビューをお届けします。

ポータブルタイプのBluetoothスピーカーで、バッテリーのみならず、マイクを内蔵するモデルはあまり見かけないため、ある意味貴重なプロダ クツなんじゃなかろうかと…。しかも今なら6,980円。一般的なオーディオ製品よりも高値という印象のBluetooth製品の中にあってこのプライ ス。リテールコム社のチャレンジ(やけくそ?)スピリットに脱帽です。

【追記】08/10/9の昼現在でAmazonでは7,480円に値上がりしていました。

■パッケージとスピーカー本体について~シンプルながらもスタイリッシュなデザイン

STB2825のパッケージは角形の「BIT-STB2819」(以下STB2819)のそれと比べてやたらと派手になってます。ぎんぎらぎんなの はシルバーだから?ブラックとレッドモデルのパッケージもシルバーで統一なのかな…。一応、パッケージのサイドにこんな使い方ができますよというイラスト が入っているんですが、ぎんぎらで見にくいことったら…。まあ、パッと見では中身がよくわからないのはSTB2819と同じです(皮肉まじり)。

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箱の裏面の一部が保証書になってるので注意。中身はいたってシンプル。スピーカー本体、スピーカースタンド、ACアダプタ、USBコネクタ仕様の電源ケーブル、取説のみ。

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スピーカー本体のサイズは161×41×41(mm)の円筒形。重量は内蔵リチウムイオン充電池込みで170g。乾電池込みのSTB2819より確 実にコンパクトで軽量です。アルミコーティングの筐体にはビスやネジも見あたらず、非常にスタイリッシュな仕上がりになってます。スタンドは透明プラ製 で、これを使うと卓上でもスピーカーを安定して置けます。

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残念なのはスイッチのプラスチッキーさ。押した時の感触含め、ここだけが安っぽい。印刷に使われているフォントもちょっとダサイ。

また、DC IN端子とAUX端子がある部分に社名プリントがあって少々気になるのですが、卓上で使う場合には、起き上がりこぼしのように、このプリント部が下になるので、ぶっちゃけほとんど気にならなくなります。

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付属のUSBケーブルはソニーのBluetoothレシーバー「DRC-BT15」の充電器や手持ちのCDウォークマン(D-NE830)のACアダプターと同じ型のプラグでした。ちなみに、ソニーのアダプターでSTB2825の充電は できませんが、その逆はOK。PC経由でBT15PもCDウォークマンの内蔵バッテリの充電ができました。これはある種のうれしい誤算。なお、 STB2825に付属するACアダプター自体はSTB2819付属のものと全く同じでした。

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角形のSTB2819やPSPと並べてみましょう。横幅はほぼ一緒(160mm)ですが、見た目、素材、電源・操作ボタンの作り、電源の入れ方、LEDの位置などは全く異なります

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表にするとこんな感じ。

また、パッケージに記載された製品仕様を見る限り、オーディオのスペックは2819とほとんど同じ。でも出てくる音は違うんですよね。これがまた面白い。

■基本的な使い方&操作

取説では購入後は内蔵バッテリーの充電をするようにとの指示。背面の電源ジャックに付属の充電用USBケーブルを接続して、USB端子付きACアダプター(他の汎用ACアダプターでもOK)充電します。充電中、LEDは赤の点灯になります。

なお、スピーカーの電源が入った状態で(=スピーカーを使用しながら)充電する場合は、LEDが赤と青の交互点滅となります(赤と青が重なって紫の 点滅に見えます)。電源オフの状態で充電が完了するとLEDは消灯します(取説には緑色点灯となってますがおそらく間違いでしょう)。

左のスピーカー部が電源スイッチを兼ねています。印刷されている矢印の方向に長押しすると電源が入ります。なお、購入後はここにビニールシートが貼ってあり、アクリルの開口を塞いでいますので速攻はがしましょう。

中央にあるボタンは、左から、音量(-)兼曲戻しボタン、再生・ポーズ兼携帯着信時受信ボタン(長押しでペアリングモード)、音量(+)兼曲送りボ タン、マイクの順。これらのボタンでBluetoothオーディオ機器の音楽再生と停止(ポーズ)や曲送り・戻しを遠隔操作可能になります。また、 Bluetooth搭載携帯電話に着信があった場合にはSTB2825のマイクを通じて通話が可能になります。

裏(背面)中央にあるLINE IN(外部入力端子)は、ステレオミニケーブルが接続可能。Blueooth機器以外のオーディオ機器の外部スピーカーとしても使えます。

※余談ですが、STB2819は背面の主電源スイッチを入れたままでも、再生ボタンの長押し(タッチ)で電源を切ることが出来ます。反対に同ボタンの長押しで電源を入れることも出来ます。ちなみに、STB2825にはこの機能はありません。

■基本的なペアリング

初回は電源スイッチONでペアリングモードに自動的に突入します。ペアリングモード時、LEDは赤と青の交互点滅となりますので、この状態で送信側 のBluetooth機器から「STB-2825」を選択します。PINコードの入力が必要な機器の場合は「0000」を入力します。

相手がBluetooth送信アダプター(ドングル)なら自動的にペアリングしてくれます。手持ちのソニー「WLA-NWB1」、同「TMR-BT8iP(日本未発売)」、PCI「BT-DockT」、いずれも問題なくペアリングできました。Bluetooth送信機能内蔵のウォークマンNW-A820シリーズももちろんOK。ペアリング時にはSTB2825という名前も表示されます。パスキーは「0000」でした。それ以外のパスキーを採用している製品と組み合わせて使いたい場合はご注意を。

送信機側と接続が確立すると、スピーカーのLEDは青の一定間隔点滅(約一秒に青×3点滅と消灯の繰り返し)になります。あとはオーディオ機器側で音楽再生開始。スピーカーから音が出ればペアリング大成功。

なお、いずれかのBluetooth機器とペアリングしてある状態でSTB2825の電源を入れた場合は、ペアリングモードが省略され、登録済みの 機器との接続を試みます。その際、LEDは約3秒に青×1点滅と消灯の繰り返しになります。ちなみに、すでにペアリングしてある機器が見つからない場合 は、自動的にペアリングモードに切り替わります。

■STB2825で使えるBluetooth搭載製品とそれぞれで出来ること

てことで、STB2825で連携可能なBluetooth搭載製品と、それぞれで出来ることのまとめ。

・Bluetooth機能搭載のオーディオ機器
ウォークマンA820シリーズ、A820シリーズ以外のWM-PORT搭載ウォークマン+Bluetoothトランスミッター「WLA-NWB1」、iPod+3rd Partyの各種Bluetoothトランスミッター(ドングル)など
・Bluetooth機能搭載の携帯電話
・Bluetooth機能搭載パソコン
※いずれもパスキーが「0000」対応のもの

Bluetooth搭載オーディオ機器で出来ること

・A2DPプロファイルによる音楽ファイルのステレオ再生
・AVRCPプロファイルによるスピーカー側からの遠隔操作
(再生・ポーズボタンで再生と停止、+ボタンの長押しで曲送り、-ボタンの長押しで曲戻しは可能。ボリューム操作とグループ送りは不可)

Bluetooth搭載携帯電話で出来ること

ワンセグチューナーや音楽プレイヤー内蔵の場合はその音声の再生並びに上記オーディオ同様のリモート操作に加え、ハンズフリー通話が可能。この場合、スピーカーユニットから相手側の音声を再生し、スピーカー内蔵マイクを使って通話します。

Bluetooth搭載PCで出来ること

メーカーによって異なりますが、ソニーVAIOの場合は、オーディオソフト経由での音楽再生とソフトの遠隔操作、並びにSkypeなどの音声チャットソフト用マイクとして使用可能。

手持ちのtype T(TX90PS)で試してみましたが、ペアリング後に「Bluetooth設定」のオプションから設定を変更。「その他>AVプレイヤー」で SonicStageやWMPを選択すれば、スピーカー側から再生・停止、曲送り・戻しも可能。ただ、BTマウスも一緒に使っていることやtype T側のアンテナ感度の問題かわかりませんが、自分の環境では音がとぎれとぎれになることが多いです。

余談ですが、SonicStage CPとSonicStage Vを同居させた場合に、STB2825側のリモート操作で起動するのは前者でした。もちろん。どちらのアプリでもスピーカーから音は出ますが、リモート操 作はCPからのみ可能。Bluetooth設定からSonicStage Vも選択可能にしてください>ソニーさん。

■マルチ接続について

STB2825側のハンズフリー通話と音楽再生は切り離して使う、いわゆるマルチ接続が可能です。スピーカーをウォークマンやiPodなどのDAPに(A2DP/AVRCP)、マイクを携帯電話に(HFP/HSP)と連携するというパターンです。

手持ちの東芝製au「W54S」との組み合わせでは可能でした。最初にスピーカーとW54TとHFPのみ(<ココ重要)で接続した後に、音楽プレイヤー(+Bluetoothドングル)側とA2DP接続する順番がポイントのようです。

ちなみに使用感は今ひとつ。というか相手側がつらいみたい。STB2825側で相手の声は聞き取りやすいのですが、相手側では残響感+ノイジーで聞 こえづらいと言われました。また、スピーカー(マイク)を使う位置にも注意が必要です。マイクが遠いとこちらの声が小さくなるので、マイクを使う場合は自 分の顔(口)に近づけた方がよさそうです。

ちなみに、iPhoneの場合はHFPのみが使えるため、STB2825のマイクでハンズフリー通話は可能ですが、音楽再生もしたいという場合は iPhone(iPod)専用のBluetoothドングルが必要になります。当然ペアリングは別々にしてあげる必要があります。アップルがオーディオ関 連のプロファイルを解放してくれるとこんな面倒なことをしなくても良いのですが…。

■内蔵バッテリーについて

内蔵のリチウムイオン電池、結構持ちます。自分で実測はしていないのですが、「げ~む三昧」さんがリテールコムへ問い合わせしており、「再生:6時間、通話:12時間、連続待ち受け時間:140時間」、という返事をもらっているそうです。しかも、実測で15時間との話もあります。すげー。いずれにしても半日程度は余裕で保つってことですね。

参考までにバッテリ切れのサインは、LEDの赤と青の交互点滅にポーという警告音のローテーション。数分後、ピポの音を最後に電源が勝手に落ちます。その後も使い続けたいなら付属のUSB電源ケーブルを使いましょう。バッテリーを充電しながらスピーカー再生も可能です。

バッテリー内蔵ということでモバイルで不安を感じるかもしれませんが、USB対応の電源ケーブルがコンパクトですし、外部バッテリなど一緒に持ち歩けば、かなり柔軟に運用できると思います。

不安材料をあげるとすれば内蔵バッテリの寿命とUSBケーブルの紛失。修理、交換、お取り寄せ、どんな対応になるのかは他にも聞きたいことがあるの で、後日まとめてリテールコムに質問してみようと思います。結果は後日当エントリーに追記するなり別エントリーするなりします。

■スピーカーの再生能力について

低音再生能力は、まあ、この手のスピーカーはどうしようもないですね。STB2819と比べても明らかに劣ります。STB2825は本体の材質やその形状によるのか、むしろ高音の方が前面に出てきます。

改善策としては、意識してソニーRollyのようにバッフル効果を狙う置き方をすることでしょうか。ある程度面積のある(少なくともスピーカーよりは広い)床&壁をしょわせるだけでも音場や低音の鳴りが変わります。

あと、スピーカーの音量をめいっぱい上げると露骨に音が割れます。スピーカーはSTB2819と同仕様なのに。スピーカーコーン破損防止につけられた透明塩ビに共鳴してる気もするのですが、小心者なので外して検証まではしてません…(汗)。

■Bluetooth信号の感度について

Bluetooth信号の受信性能については、感覚的なモノですが2819と比べるとセンシティブ(弱い)かも。筐体がアルミ製というのも多少は影響しているのかもしれません。

ちなみに、人から聞いた話なんですが、Bluetooth信号の最も障害になるのは水分が多い人体なんだだそうです。Bluetoothレシーバー などを使っていて、とぎれとぎれになることが多いのも、トランスミッターとの間に自分のカラダがあるからなんですね。原因が自分にあるなんて思いもよらな かったので、初めて聞いた時は驚きでした。

■まとめ

言 いたいこと言ってますが、これだけコンパクトで、しかも7,000円前後という価格。これらを総合して考慮すると、十分合格点だと思います。バッテリ駆動 によるモバイル性能も見逃せません。てなことで、2819も2825も個性的で面白いスピーカーです。実際、知人などにこのスピーカーで音楽を聴かせる と、デザインやコンパクトさへの驚きもさることながら音が良いとの評価が必ず返ってきます。

なんらかのBluetoothオーディオをお持ちのすべての人には、どちらかひとつ、もしくは両方、是非とも使っていただきたいというのが正直な感 想。価格的にも手軽にワイヤレスオーディオを楽しむのにうってつけだと思うのですが、いかんせん情報が少なすぎ。つたないですが、こうした自分のレビュー が、購入のためのひとつの検討材料になれば幸いです。

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