ソニーのワイヤレスオーディオレシーバー「DRC-BT15P」を試す

■複数のBlueooth機器との組み合わせは?

BT50で悪戦苦闘しソフトバンクのZTBAC1ではNGだった、音楽再生はウォークマン+NWB1、ハンズフリーのみW54TとBluetooth接続という組み合わせですが、BT15PではBT50の苦労が嘘のようにあっさりできちゃいました。手順はこんな感じ。

  1. あらかじめW54T側で「ワイヤレス機器」接続をOFF(本体スピーカー)に
  2. W54TのBluetooth待ち受けをON
  3. BT15Pの電源を入れると、W54Tとハンズフリー(HFP)のみで繋がります
  4. ペアリング済みのウォークマン(+NWB1)の電源を入れます
  5. BT15Pとウォークマン(+NWB1)がA2DP接続

以上のステップで、音楽再生はウォークマン+NWB1、ハンズフリーのみW54Tが可能になります。ウォークマンの音楽再生もリモコン操作もまったく問題なし。ケータイに着信があると、ウォークマンの再生はストップしマルチファンクションボタンを押すと通話できます。当然、通話終了後は音楽再生が復帰します。あー、なんと快適なんでしょう。なお、メールの着信があった場合の着信専用アラームは鳴りませんでした。

bt15p_09.jpg

ちなみに、自分のように複数のBluetooth機器にこれまた複数の機器を登録していると、ペアリングの順序の問題もあってか、機器同士がサクッと繋がらなくなることがあります。BP15Pを使っていて、繋がるのに時間がかかるとか、なかなか繋がらない場合はマルチファンクションボタンを押してみましょう。こうすると機器を検索しに行ってくれるみたいです。

■ソニエリのBluetoothケータイとBT15P

2008年1月現在、ソニエリのケータイでBluetoothを搭載している機種は、間もなく発売されるau「W54S」のみですが、噂のサイバーショットケータイ「W61S」にもBluetoothが標準搭載されるような話になっています。前者は東芝のOEMとの話なので、おそらくBT15Pとの相性も良いはず。後者については詳細がわかりませんが、ソニーのオーディオチームがBT15Pを「for Bluetoothケータイ」としてプロモするぐらいですから、東芝製ケータイと同様の使い勝手をソニエリが実現してくれると思います。

auにとどまらず、日本のソニエリケータイにBluetoothが標準搭載されるようになれば、自ずとBT15Pのような商品が注目を浴びることになり、ソニーのオーディオビジネスにも活力をもたらしてくれるはず。W61Sの動向を含め、ソニーのワイヤレスオーディオ機器の今後に期待したい今日この頃です。

■BT15Pの音質は

この手の商品は、ソニーBRM1が初体験で、ソフトバンクZTBAC1に引き続き、BP15Pを使ってきたわけですが、ぶっちゃけ音質については大差無いというのが正直な感想です。Nona Reevesの「DAYDREAM PARK」のような高音から低音までがまんべんなく鳴っている音の洪水的楽曲で聞き分けてもほとんど違いがわからんのです。自分自身の耳のエージング(まさに老い)が進んで聞き分けられる周波数帯域が狭くなっているのかもしれません。強いて言うなら、ZTBAC1がモニター的な音作りなのに対して、BT15PやBRM1は中低音を持ち上げているようには感じました。ドン・シャリではないですが、ドンの力強さはありますね。もちろん、使用するヘッドホンの特性にも左右されますのではっきりとしたことは言えないのですが、個人的にはキライじゃない音です。

bt15p_11.jpgちなみに、BT15Pの取説には推奨アクセサリーに「MDR-EX90SL」と記載されています。また、ソニービルで入手したカタログにもEX90SLが一緒に写ってます。BT15Pの音作りはEX90SLに最もマッチする形でチューニングされたのかもしれません。実際に色々と聞き比べてみたのですが、確かにEX90SLとの組合せが聞きやすさという点ではベストかもしれません。また、「MDR-EX700SL」だとこれまた表情が一変。通信方式がBluetoothということもあり、EX700の性能の良さが災いしてホワイトノイズがさらに強調されるのが気になるほか、中低域が前に出てきてちょっとうるさく感じました。いずれにしても、音質については人それぞれ好みがあるのでなんとも言えません。どんな種類の音楽を聴くかによっても変わりますしね。BP15Pのような製品を買う場合は自分の耳に合うヘッドホン探しもひとつの楽しみと言えそうです。

それから、BRM1を使っていて気になっていた通信状態悪化に伴う音楽再生ピッチのズレは、BT15PではBluetooth 2.0にEDRが付加されたことよる高速化通信の恩恵からかBRM1ほどのズレは感じません。通信も比較的安定しているようです。これは素直にうれしい。

■バッテリーの保ちを検証してみた

6時間という連続再生時間に不安を感じる人も多そうなので、珍しく今回はバッテリーの保ちを検証してみました。2回目のレビューから間が空いてしまったのはこの検証に時間がかかったためです。

bt15p_10.jpg検証にはBT15Pに外部スピーカーを接続、ウォークマンS705F+NWB1でA2DP接続、さらにBluetoothケータイ(W54T)でHFP接続(待ち受け)した状態で延々と音楽再生を行いました。午前9時前ぐらいから検証を始め、定期的に電源ボタンを押してLEDにてバッテリー残量を確認。以後使えなくなるまでの経過はこんな感じ。

  • 約3時間:LED 2回点滅
  • 約4時間:同上
  • 約5時間:同上
  • 約5時間半:LED 1回点滅
  • 6時間ちょっと:自動的に電源オフ

ということで、6時間ちょっとは動きましたのでカタログ数値は正しかったです。LEDの点滅が1回になったら数十分後には使えなくなると思ってよろしいかと。まあ、ケータイの待ち受け状態での検証でここまで保つわけなので、A2DP接続オンリーの音楽再生だけならもう少し伸びるのかもしれません。6時間が多いか少ないかは使う人のライフスタイルに左右されるのでなんとも言えません。通勤・通学で往復4時間かかるような方でもお昼休みの1時間をたっぷり音楽と一緒に過ごせますから。ただ、旅行のお伴に持っていくような場合は充電器必須でしょうね。

ちなみに、5時間半過ぎた頃はS705Fのバッテリー自体も危なかったです。酷使してきたのでバッテリーもへたってるのでしょう。BT15Pも当然長く使い続けるとバッテリーのへたりで連続使用時間が減ると思われますのでその点お含み置きを。

■雑感&その他

BT15Pに対する個人的な雑感や要望を最後に。基本の操作系をひとまとめにしたジョグスイッチは素直に使いやすいと思いました。BRM1含めこの手の製品の中では個人的にNo.1の操作性です。BRM1で体験済みでしたが、ソニーのBluetooth機器はどれも音が良い(自分好みな)ので安心して使えます。あと、細かい話で繰り返しになりますが、クリップの取り付けはともかく、取り外しの説明が無いのが気になりました。クリップホールの破損はクレームに繋がることですから。それと、この手の製品のACアダプターのプラグはできれば共通化して欲しいです。

というようなことで、色々と文句も言いましたがBT15Pはバッテリーの保ちに若干の不安はあるものの個人的には大満足な製品です。今日から関東エリアでも発売が始まったau「W54S」や今後発売予定のサイバーショットケータイ「W61S」と組合せるとさらに楽しい音楽ライフが送れると思います。Bluetoothケータイの普及と認知度アップで、ソニーから今後も続々と新提案のワイヤレスオーディオ商品が投入されると良いですね。

最後の最後に参考までにということで手持ちの主なBluetoothヘッドホンとの比較表をば。

bt_headset_hikaku.jpg
【表の補足】BT50のウォークマン+NWB1でA2DP&ケータイでHFP接続ですが、人によっては自分が書いたようなコツいらずで接続できているそうです。自分のBT50とNWB1はあまりに複数の機器とペアリングしすぎてうまく通信できていないのかもしれません。今度リセットして試してみます。ということで、お知らせ感謝です>かつぽんさん

(あ、あとこれはBT15Pに限った話ではないのですが、メモというか備忘録として書いておきます。ウォークマンA910シリーズなんですがNWB1とSCMC方式未対応のBRM1の組合せでワンセグの音声が再生できるそうです。自分はA910シリーズ持ってないので、かつぽんさんにお願いして検証していただきました(感謝です!>かつぽんさん)。この結果から推測するにおそらくBT15Pでも行けるのでしょう。ワンセグケータイでは何かと縛りが多いですが、ウォークマン単体ではそうでもないんですね。驚きです。ちなみに、ケータイ、ウォークマンを問わず、ワンセグの音声をBluetoothで飛ばす場合は若干の遅延が生じます。ドラマなどでは役者さんの音声と口の動きにズレが出て少々気になりますよね。今後はBluetoothの高速化もさることながら、再生機器側で映像だけを遅らせたりできるようになると良いなあって思います。そうなればモバイル動画がさらに楽しくなりますよね。)

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