装着感や操作性についてのインプレ
オーナーズガイドにわざわざ装着方法が書かれていますが、難しいことは何もありません。左右さえ間違えなければOK。Bluetoothコントロールモジュールが装着されている方が左です。
ちなみに、モジュールの音量ボタンと電源スイッチは親指で操作し、マルチファンクションボタンは人差し指で操作せよとのこと。色々試しましたが確かに他の指では操作しにくいです。
装着感について
肝心の装着感ですが、素晴らしいの一言です。付けていることを忘れるほどでは無いですが、軽量なので頭頂部への負担が少ないです。また、板バネのテンションが絶妙で側圧も少ないです。
これまで色んなオーバーイヤー(ヘッド)タイプヘッドホンを使ってきましたが、現在手持ちのヘッドホン含め、装着感はずば抜けて優れていると感じました。
しかも、長時間装着していてもほとんど疲れないんですよね。試しに、半日ほぼぶっ通しで使ってみましたが、夕方になって首が少し疲れてきたレベル。
頭部の形状も様々ですし、個人差があるのは当然なのですが、実際、ここまで長時間装着し続けられたのはインナーイヤー式含め無かったかもしれません。
操作に関しては、キャッチホンやら2台目との切替やらで、通話関連でややこしく感じるかもしれませんが、音楽再生に関してはシンプルなので迷うことはほとんど無いと思います。
左手のみの操作にしても、これが初めてのBluetoothヘッドホンという人の方が戸惑わないでしょう。自分のように、複数のBluetoothヘッドホンを持っていると、ボタンの配置も操作体系も異なるので、妙な動きをしてしまう可能性も少ないはず。
ちなみに、他社製は電源と受話系が左で、再生や音量関連系が右など、左右に分散しているパターンも多いです。AE2wは全ての操作Bluetoothモジュールがある左に集中しているため、間違いも少ないのではないかと思います。
音質について
BOSEと言うと、業務用のスピーカーや先にレビューしたBluetoothスピーカー「SoundLink Mini Bluetooth speaker」のように、低音再生能力に優れた音響製品を提供するというイメージがありますが、このヘッドホンに限っては低音はそれほど強調されてないんですよね。
イヤーカップ内のわずかな空気質量を緻密にコントロールして臨場感あるサウンドを再生する独自の「TriPortテクノロジー」の威力は十分感じますが、バランス重視のモニター音質というイメージの方が強いです。初めて、このヘッドホンで音楽を再生した時も、そのクリアな音質に正直ビックリしました。
Perfumeの新作「LEVEL3」をこのヘッドホンで聴くとよくわかります。ブリブリなシンセベースと重いバスドラが定番の超低音域サウンドが中田ヤスタカサウンドの要ですが、上物のシンセリフやパーカッション、Perfume3人のボーカル等の高域と中域のサウンドもバランス良く鳴っているのがよくわかります。
AE2との大きな違いである、Bluetoothモジュールに搭載したアクティブ・イコライザーの威力も大きいのかもしれません。動画再生時の音声の遅延の少なさなど、iPadへの最適化を売りにするぐらいですから、コーデックの特性などを色々と研究した上で最適な補正を行っているのだと思われます。
先の装着感インプレで触れましたが、長時間装着しても疲れないのは、実はこの音質によるところも大きかったりするのではないかと感じています。
試しにソニー「MDR-1RBT」で同じ音源を再生してみましたが、沈み込むような低音は迫力があるのですが、キラキラした高域も沈み込んでしまうのか、高域から中域にかけての解像感が損なわれてしまっていました。好みもあるのでどちらが良いとか悪いとか評価はできませんが、昔のことを考えるとBOSEがモニターライクで低音が強調されているのがソニーというある種の逆転現象が面白いなと感じましたです。
気になる音漏れと遮音性能についてですが、しなやかなイヤーパッドが耳をしっかりと包み込みながら肌に密着、適度な遮音性能をもたらしているようです。その密着性能が音漏れの少なさにうまく繋がっていると感じました。実際、電車の車内でもそこそこの音量で楽しめます。気になるようであれば、事前に音漏れする音量を把握しておけば大丈夫。電車の中でも周りを気にすること無く使えます。
このヘッドホンを最初に手にした時に、価格に見合わぬと感じたプラスチッキーな筐体デザインも、軽量化と装着感のバランスを考慮した上でのことなのだなあと時間できた次第。価格に見合った性能かどうかの判断は難しいですが、ここまで装着感に優れたものは同価格帯のオーバーイヤータイプのBluetoothヘッドホンには今のところ見当たりません。
また、低音命みたいな人には正直オススメできません。逆にバランス重視のモニターヘッドホンをお探しならきっとはまるはずです。長い時間音楽を楽しみたい人やとにかく軽いヘッドホンが欲しいという人には自信を持ってオススメできます。iOSデバイスとの親和性も大きなポイントでしょうね。iPadとiPhone両方を使っている人にとってもすごく便利だと思います。
今後のレビュー企画について(蛇足)
ということで、「Bose AE2w Bluetooth headphones」のレビューを2回にわたってお届けしましたが、最後になって有線接続の音質について検証していないことに気が付きました。
よくよく考えてみると、最近のBluetoothヘッドホンは有線接続対応も基本仕様として定着しつつありますよね。実際、AE2wぐらいの価格帯(2.5~3万ぐらい)のBluetoothヘッドホンをノーマルヘッドホンとして使う場合と、同価格帯の有線ヘッドホンの音質ってどれぐらい差が出るのでしょうかね。同じような価格帯でBluetoothヘッドホンの有線接続が高音質ならそっちを買う方がコスパ高いですもんね。
以前お借りしたデノンのBluetoothヘッドホン「AH-NCW500」は有線接続時にノイキャンが有効になるという付加価値があるんですが、お借りしたデモ機に有線ケーブルが無かったので検証できなかったんですよね。
なんか、すごく気になってきました。良い機会なのでAE2wだけじゃなくて他のBluetoothヘッドホンの有線接続を色々試しつつ、ノーマルヘッドホンと比較してみるのも面白いかもしれません。
デノンさんにもう一度有線ケーブル付きの「AH-NCW500」の貸し出しもお願いしてみます。実はソニーの新製品「MDR-10RBT」も入手予定だったりしますので、NCW500やAE2wの有線接続の音質含め、色々と比較検証してみたいと思います。
最後の最後になりますが、今回、AE2wの疑問点について各種ご回答くださったBOSE直営のアキバトリム店の皆様にこの場を借りまして御礼申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。
Bose AE2w Bluetooth headphones
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